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渡辺康男油彩展 「夢のヒマラヤ」

併せ持つ厳しさ、やさしさ

八千米級の山々、背後に広がる天空。世界の高峰ヒマラヤを目にした時、人は何を思い、心打たれるのだろうか。東京芸大で油彩を学び卒業後は県内高校の教員となった。半抽象の人物・群像を描き続けたが、教職の傍らじっくりカンバスに向かう時間は少なくなった。ヒマラヤに向かったのは校長を最後に退職してからだった。もともと山登りは好きだった。夏の北アルプスを目指し、里山巡りも欠かさなかった。けれどヒマラヤと対面した時、やはり圧倒された。ふもとはまだまだ闇の世界なのに山頂はいち早く陽光を受け止める。光の力ーテンが徐々に下ってくる。岐阜市栗矢田町一のギャラリーパスワールドで渡辺康男さん(67)"岐阜市岩田坂"が「夢のヒマラヤ」と題した油彩展を開いている。数千米の高所から眺望するヒマラヤは白と青の世界。もちろん人影もない。氷壁が青白い触手を伸ばしている。手前の山並みにわずかに緑を見るばかりだ。
だが、連作「ヒマラヤ」の絵肌は、人を寄せ着けぬ冷酷・峻(しゅん)厳なイメージよりは思いのほかに柔らかだ。朝日を浴びて時に赤く輝くせいなのか、荘厳さの中にパステル画のようなやさしさが広がる。「六〇年安保からベトナム戦争、環境破壊、未来を託した少年群像-。社会的なテーマと人々の熱いエネルギーが制作の動機だった」とこれまでの軌跡を振り返る渡辺さん。はるばるたどり着いて見たヒマラヤは、むしろ人界を拒絶する厳しさよりは、人々の営みを広大なそのすそ野に抱え持つ存在なのかもしれない。(S・H)
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展示は30点余。5月1日まで。火曜休み。電話058(263)3682。
油彩展「夢のヒマラヤ」を開いている渡辺康男さん=岐阜市栗矢田町、ギャラリーパスワールド


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