彫刻家・竹屋修さん作品展「思考する土塊」岐阜市

「生」を突き詰めて

具象にこだわり、人体をモチーフに陶彫を作り続ける彫刻家竹屋修さん ( 四七 ) =岐阜市長良=の作品展「思考する土塊」が、同市栗矢田町のギャラリーパスワールドで開かれている。「造形的に死を捉えた」という作品は、そのほとんどが死者の像。生を突き詰めてたどり着いた、究極の ” 美の表現 ” が展開されている。十八日まで。

竹屋さんは福岡県出身。幼少時代から岐阜に移り住み、加納高美術科に進学。彫刻に興味を持ち始め、愛知県立芸術大で本格的に技術を学んだ。これまで日本現代陶彫展、安田火災美術財団奨励賞展など、国内のさまざまな展覧会で受賞している。現在、二科会会員。セメントや石こう、ブロンズなどさまざまな素材に挑戦してきたが、「どれもしっくりこなかった」。しかし、日本現代陶彫展への応募をきっかけにした陶との出合いが、その後の創作の在り方を決定付けることになる。「素材の持つ存在感に強く引かれた。陶が放つエネルギーに圧倒された」という。前回から十八年ぶり、岐阜市では初の個展となる今回は約三十点を出品。全長約一・五bの像「記録ひとの形について」は、全体を約三十の陶片に解体して焼成し、再びつなぎ合わせた。鉄分の多い土を焼き締め、上から細い針やへらで傷を付けたり、部分的に塩水をかけてむらにするなど、朽ちてゆく人間の姿を表現。死を客観酌に表現することで、逆に生命感が強調され、見る側に強烈な印象を与える。生への執着やあきらめ、祈り…。表情や手足の形から、さまざまな思いが読み取れる。今後の創作への決意表明ともいえる今回の展示だが、「作品展は自分自身をさらけ出すこと。今日まで続けてきて、ようやく一定ラインにたどり着くことができた。毎年、作品展を開いていきたい」と話す。「人体の姿を借りて何かを表現したい」。以前は、アフリカの飢える人々をテーマに創作したこともあった。その「何か」を求めて、これからも土と向き合い続ける。

岐阜新聞 2006.03.10

記録一覧